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[AI使い方ガイド #3] 質問を変えれば答えも変わる、プロンプトの基本4つ

「AIを使ってみたけど、いまいちだった」と聞くと、「メールを書いて」「レポートを要約して」のような一行の依頼で止まっている人が多くいます。しかし、AIに送る依頼文、つまりプロンプトを少し整えるだけで、まるで別の人が書いたように成果物が変わります。プロンプトエンジニアリングという大げさな名前の技術もありますが…

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「AIを使ってみたけど、いまいちだった」と聞くと、「メールを書いて」「レポートを要約して」のような一行の依頼で止まっている人が多くいます。しかし、AIに送る依頼文、つまりプロンプトを少し整えるだけで、まるで別の人が書いたように成果物が変わります。プロンプトエンジニアリングという大げさな名前の技術もありますが、一般ユーザーに必要なのは実は4つの基本だけです。

なぜ質問によって答えが変わるのか

第1回の原理を思い出してください。AIは、与えられた文章に続く最も自然な文章を作ります。入力が「メールを書いて」の一行だけなら、誰が誰に何のために送るのか何も分からないため、世の中で最も平均的なメールを作るしかありません。結果が平板なのはAIの能力不足ではなく、材料がないからです。

プロンプトの基本は一文で十分です。**新人社員に仕事を任せるつもりで依頼してください。**頭はよくても会社の事情をまったく知らない新人に「メールを書いて」とだけ頼めば、どんな結果になるかは明らかです。以下の4つは、その新人に説明すべき内容とまったく同じです。

基本1、コンテキストを伝える

背景と目的を伝えるだけで、成果物の半分が決まります。

  • 悪い例:「メールを書いて」
  • 良い例:「取引先に納品日の延期をお願いするメールを書いてください。相手は10年来の取引がある部長で、こちらの生産上の問題により1週間遅れる状況です。関係を損なわないよう丁寧に、ただし言い訳に聞こえない文面にしてください。」

誰が読むのか、なぜ書くのか、どんな状況なのか。この3つが入ると、AIは平均的な文章ではなく、その状況に合った文章を作ります。

**注意点が一つあります。**コンテキストを伝えるからといって、社内機密や顧客の実名まで貼り付ける必要はありません。「取引先A」「顧客の金OO」のように伏せても、成果物の品質はほとんど変わりません。この問題は第7回で別途扱います。

基本2、役割を決める

「あなたは経験10年のマーケターです」「小学生にも分かるように説明する科学教師です」のように役割を指定すると、回答の視点や語彙、深さがその役割に合わせて変わります。

役割指定が本当に役立つ理由は、回答のレベルを調整できることです。同じ「退職年金を説明して」でも、「金融初心者に説明する銀行窓口担当者」なら用語をかみ砕き、「金融の専門家」なら税制上のメリットの計算まで踏み込みます。望む回答のレベルを役割で指定すればよいのです。

誤解を一つ解いておきましょう。役割を与えたからといって、AIが賢くなったり回答が正確になったりするわけではありません。変わるのは説明の仕方です。

プロンプトの4つの基本要素、コンテキスト・役割・例・形式がカスタマイズされた回答につながる構造を示す図
コンテキスト・役割・例・形式。この4つを押さえるだけで成果物が変わります

基本3、例を見せる

望む成果物の形が頭にあるなら、言葉で説明するより例を一つ見せるほうが早いです。

「チームの週次報告の形式で書いて」と何度も説明するより、先週の週次報告を貼り付けて「この形式と語調のまま、今週の内容で書いて」と伝えるほうが正確です。タイトルのスタイル、文の長さ、敬語の度合いまで、例から自動的に学ぶからです。

これが通用する理由も同じ原理です。AIは前に置かれた文章のパターンを続ける機械なので、例ほど確実なパターン指示書はありません。

基本4、形式を指定する

成果物をどこで使うかを先に考え、その形をあらかじめ指定しましょう。

  • 「表にまとめて。列は項目・費用・メリットとデメリットで」
  • 「3段落以内で、各段落は3文以内で」
  • 「結論を先に述べ、根拠には番号を付けて」

形式指定は品質の問題というより、後処理にかかる時間の問題です。どうせ表にする内容なら最初から表で受け取るほうがよく、役員向けの報告なら結論優先の構成が適しています。

そして、一度で終わらせようとしない

4つの基本より重要な習慣があります。最初の回答を完成品ではなく下書きとして扱うことです。

AIとの会話は自動販売機ではなく、ピンポンです。「2段落目が硬すぎるので柔らかく」「この部分の根拠をもっと詳しく」「全体を半分の長さに」のように直していくのが普通の使い方です。完璧なプロンプトを書こうと悩むより、まず大まかに始めて3回直すほうが、たいてい早く済みます。

プロンプトを反復的に改善するループの図、依頼・下書き・フィードバックを往復するピンポンの過程
最初の回答は下書きです。2、3回直すのが通常の使い方です

まとめ

  • 結果が平板なのはAIの能力不足ではなく、材料がないからです
  • コンテキスト(誰が・なぜ・どんな状況か)、役割(レベル)、例(形)、形式(見た目)の4つを押さえましょう
  • 新人社員に仕事を任せるように説明すれば、たいてい解決します
  • 最初の回答は下書きです。ピンポンのように直していきましょう

どれほどプロンプトを上手に書いても、対応できない仕事があります。AIが知らない情報、つまり自社の資料や今日出たニュースを扱う作業です。こうした場合は質問を磨くのではなく、材料そのものを与える必要があります。次回は、ファイル添付・ウェブ検索・NotebookLMを使ってAIに資料を与える方法を扱います。